

アルファロメオがタイトルスポンサーについてくれた結果、資金面での心配がほぼ解消されるザウバーですが、フェラーリ色を一層強め、フェラーリの意思決定でチーム運営に大きな影響を及ぼすようになりました。実質的なスポンサーはFIATでありフェラーリでもあります。マルキオンネ会長がFIATブランドをザウバーに売り込んだだけであって、フェラーリエンジンを供給するというセールス方式です。エンジンも一年落ちではなくなり、パワー面でいえば戦闘力はUPします。しかし、マシン(シャシー)開発能力という面では来年以降の話になるでしょう。スタッフも集めただけではまだ機能するまでに時間はかかるでしょうから。
問題はフェラーリの政治色に左右されるチームになってしまったこと。つまり、チームの独立性を維持しづらくなっていることです。次なるフェラーリのターゲットはハースであるのは周知の通りですが、3チーム連合(フェラーリ+ザウバー+ハース)でリバティメディアに対抗する勢力を形成し、何が何でも自らの優位性を死守するのが狙いです。
でも、それはF1全体の未来にとってはマイナスであり、いつまでたっても不公平な分配金制度が継続され、チーム間格差の是正につながりません。この分配金制度(バーニーが作った制度)で一番の恩恵を享受してきたのはフェラーリ。四半世紀に渡ってフェラーリがコンストラクターズ順位が4位を下回ることはなく、いつの時代もトップチームの一角を形成してきたのは、この分配金制度での潤沢な資金のおかげ。
もし2021年から分配金制度がもっと公平性のあるものに変更されたのならば、フェラーリがこれまでのようにトップチームの一角を形成するのは難しくなるのかもしれません。
アルファロメオはそんなフェラーリが自らの保身から、F1に送り込んだブランドなのです。