

リバティメディアのF1改革案で、土曜日の予選を従来のノックアウト方式のQ1-Q2-Q3から、1時間のスプリントレース方式に変更する案を各チームに提案しているようです。もし導入されれば予選一発のスーパーラップが観れなくなります。いろいろとF1改革を試みようとすることは良い姿勢だと思うのですが、この案が導入されれば物議を醸すことは必至です。予選1発の速さには美学があると思うのです。限界ギリギリのスーパーラップ。この予選でPPを競ってきた歴史がF1にはあるわけなのですが、1時間のスプリントレースで予選順位を競うようになると、土曜の予選と日曜の決勝はあまり違いがなくなってしまいます。そしてこのマシンで限界ギリギリでスーパーラップで走った場合、どれぐらいのタイムで走るんだろう?という楽しみがなくなってしまいます。この予選改革案に各チームがどういった反応をしめしているのかはまだ表沙汰にはなっていません。もし導入された場合、従来の土曜日FP3はなくなるらしいです。FP3では約20周前後の周回数を走行します。そして予選ではQ3まで進出した場合、20周前後走行します。FP3と予選を合計すれば約40周から45周を走行することになりますが、改革案である予選スプリントレースは1時間のセッションです。1時間の時間ならば同程度の周回数を走行することになります。おそらく最も長い距離(周回数)を走行した順で予選順位を決定していこうというルールで競うことになるのでしょうが、このスプリントでは確実にタイヤ交換作業が発生します。タイヤ交換を1回で済ませるのか、2回で済ませるのかで予選の戦い方を戦略としなければなりません。
もちろん予選でもオーバーテイクをしなければなりませんし、クラッシュなどが発生した場合、SCが出動する場合も想定されますね。1時間のスプリントレースを最後まで走りきれない場合も出てきます。それはそこで予選脱落になるのでしょう。給油はおそらくないでしょう。なぜならば決勝レースは1時間30分なので、改革案の予選スプリントは1時間なのですから。
1時間を最後まで走り切った順で順位を決めていくという方式です。マシントラブルやクラッシュなどで途中で脱落したマシンはそこまでの周回数(距離)と見なされて選別されるのでしょう。
この改革案で予選を戦うようになれば、F1は耐久レース化したと揶揄する関係者がきっと出てくると思います。2000年頃は予選は1時間枠で各ドライバーに与えられている周回数は12周でした。その12周を好きに走って良いというルールでしたが、あの頃が懐かしく思えます。
3周走行で4回アタックするのならば、アウトラップ+アタックラップ+インラップになります。
4周走行で3回アタックするのならば、アウトラップ+アタックラップ+アタックラップ+インラップになります。
タイヤの温まりが遅いマシンなら、4周走行をするのが一般的でした。
その後、タイヤの温まりが遅いマシンが最速マシン(フェラーリ)であるようなマージンを無くすために、予選は1アタック方式になりました。これは1台のマシンだけがコース上で走行して、前レースの成績順で予選アタックをしていくという方式でしたが、先に走ったほうがラバーが乗っていないので不利です。そういったスパイスを人工的に演出して同じマシンがいつも予選上位、とりわけPPになりにくいようにするためにそういった予選にした過去があります。これはあからさまなシューマッハー対策のルール改訂だったわけですが。笑
いつの時代もこういった思惑などでルール改訂されるのがF1の常識ですね。
いまのルールを改訂するのならばトップ3チーム対策なのかもしれませんね。
あまりにもトップ3が他チームをリードしている現状がもうかれこれ5シーズンぐらいになろうとしています。
次の大きなルール改訂は2021年まで待たなければなりません。今年も含めるとあと3シーズンも続きます。このトップ3チーム優勢の時代が3シーズンも続くかもしれないのですがどうなっていくのでようか?