

MGU-Hの改善版の2基目のパワーユニットを早くもバーレーンで投入するトロロッソ・ホンダですが、開幕戦仕様は信頼性重視で昨シーズン終了時点のパワー出力だったらしいのですが、このバーレーンで投入される仕様はまだ昨シーズン終了時点のパワーユニットなのか、それとも進化版の出力を発生させるパワーユニットなのか?
ホンダの2018年シーズン計画は早くも軌道修正されることになった訳ですが、2019年のレッドブル・ホンダ誕生に向けて、ペースを上げなくてはいけません。開幕戦の予選結果と決勝結果が現時点のトロロッソ・ホンダの実力を示すものではありません。1レース単位で見た場合、上手く事が運ぶ場合と、その逆もあります。開幕戦で出来過ぎだったのが昨シーズンまでのパートナーであったマクラーレン。アロンソは息巻いて次はレッドブルをキャッチアップする!と言い放っています。その前にルノーとハースを越えていかなくてはならないと思うのですが、アロンソは強気の発言を続けています。
昨シーズンのフェラーリのコピーだと揶揄・批判されているハースですが、F1では一番チーム規模が小さいので、内製率が他チームよりも低いのですが、外部委託するという形で予算を節約しています。一番頼りにしているのがフェラーリであることは誰の目にも明らかで、シーズンが進むにつれて進化率は低いとよそうされるので、シーズン中盤になればルノー、マクラーレン、トロロッソ・ホンダあたりに追いついてこられそうであります。
ホンダパワーユニットは今年が勝負・正念場であります。2015年にF1にカムバックしてからは1チーム供給状態が続いています。データ集積という観点からも1チームというのはライバル(メルセデス・フェラーリ・ルノー)の三分の一であって非常に不利です。せめて2チームになれば、ぞれぞれのマシンの相対比較から、パワーユニットの性能評価もし易くなります。
バーレーンでは雨の心配もなく、3日間は全てドライコンディション。逆に砂嵐や、微量の砂塵がエンジン内部に入ったりしないかが心配であります。初日はパウダー状の砂塵がコースの表面を覆っています。2日目からは初日走行のマシンで掃除がされているので、タイヤグリップは心配ないですが、予選タイムは昨年対比でどれぐらい向上しているのか?
ネガティブ要因はヘイロー搭載義務化による重量増と重心位置があがったことですが、それでも開幕戦は昨年対比で1.7秒もタイムが速くなりました。ヘイローの異様さに少し見慣れてきたのですが、ヘイローも一過性の対策になるかもしれず、スクリーン導入の可能性も再燃している状況です。
トロロッソ・ホンダがこのバーレーンでどれほどのパフォーマンスを発揮するのかに興味があるのですが、順調にセットアップも進めて、トラブルがなければフォースインディアとウィリアムズと互角の位置にいるのかもしれません。
マクラーレンとルノーとハースは中団グループの上位にいそうなので、まずはウィリアムズとフォースインディアに競り勝つことです。もしかするとマクラーレンもほぼ同じのところにいるのかもしれません。
今回に投入されるパワーユニットがMGU-H対策だけでなく、パワー向上したバージョンならばコンマ数秒はアップしているので、その場合はどうなっているか?
ハミルトンの新しい契約内容の輪郭が見えてきたのですが、2019年から2021年までの3年契約で1年あたりの契約金が66億円らしいです。たしかにメルセデスのドライバーがハミルトンでなく、ボッタスと同等のドライバーだった場合、フェラーリに太刀打ち出来ず完敗でしていると感じられます。もちろんレッドブルにも押されているように感じられます。
ハミルトンの66億円という価値はそこにあるのだと思うのですが、コンストラクターズ順位が1位でシーズンを終了するのと、2位や3位で終了する場合では数十億円の分配金の違いがあります。
現状で45億円の契約金に21億円を上積みして66億円になったとしても、分配金で元は回収できます。この新契約ではおそらく途中解約できる条項も含まれているはずです。それはハミルトン側にオプションがある内容で。最近のハミルトンは現役に執着する様子も薄れてきているようで、いつでも引退出来る環境に身を置いておきたいのでしょう。モデル業やミュージシャン業にも興味を示しているのですが、他チームへの移籍には興味があまりないようにも見えます。もし、ハミルトンが望むのであれば、フェラーリへの移籍は可能な状態であると思うのですが、もしフェラーリに移籍した場合、自由を失います。現在、ハミルトンがメルセデスで才能をいかんなく発揮出来ているのは、可能な限り、チームから自由を認めてもらっていることです。それはハミルトンも充分に理解しているからこそフェラーリへの移籍に気が進まないのだと思います。1回のクラッシュやリタイヤでイタリアのマスコミやティフォシから大バッシングされるのがフェラーリのドライバーの宿命なのですが、自由な生き方を重視するハミルトンにとって、フェラーリへの移籍はありえない選択肢なのかもしれませんね。