ロスブラウンのF1改革案

2018年4月12日
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F1ツアー


ロス・ブラウンからF1改革案がチーム側に提示されましたが、またしても賛成の同意を得ることが難しいようです。予算制限、つまりバジェットキャップですが、チーム側に提示された金額は1億5000万ドルでありました。メルセデスのトト・ウォルフによると、この1億5000万ドルにはドライバーの契約金など、その他いろいろな項目が含まれていないようです。現在のF1で一番予算が大きいと思われるのがメルセデスかフェラーリのいずれかでなのですが、この2チームはいずれもパワーユニットを製造しているので、そもそもこのパワーユニット製造に関する項目はチーム運営とは別の財布として計算しなければならないはずです。ルノーはこの2チームほど予算額は大きいとは思えないですが、現在では5億ドルから6億ドルぐらいの予算規模でフェラーリとメルセデスはチームを運営していると思われます。スタッフの人数も1000人を超えると思われます。

ロス・ブラウンが提示した1億5000万ドルはファイナルではないと思われますが、現実的なことを考えると2億5000万ドルから3億ドルぐらいが予算上限になるのではないでしょうか。

その予算規模ならばチームへの分配金負担も軽減出来ます。もちろんそれはTV放映権の値下げや、各国の開催権料の値下げにつながります。バジェットキャップが2億5000万ドルに出来れば、全チームに支払う分配金の合計が1000億円規模で節約出来ると思うのですが、もしそうなったとしたら、シルバーストーンやモンツァ、鈴鹿などが開催権料の問題で苦しんでいますが、そういう問題もかなり緩和出来るようになります。

リバティメディアの前オーナーであったCVCキャピタルズは2007年から2016年までF1の筆頭株主であり、F1を支配してきました。バーニー・エクレストンを執政官として各国のプロモーターに莫大な開催権料を突き付けて、異常なまでの高額な契約締結をしました。現在、その負の遺産整理にリバティメディアは苦労している訳ですが、CVCキャピタルズ時代に締結した契約内容は2020年末まで法的効力があるものが、まだ多数残っています。それは日本GPの開催権も含まれています。

1990年代のF1のトップチームの人数や予算規模はどれほどだったのかといえば、人数に関しては現在1000人ですが、昔は300人ぐらいでした。予算も現在の3分の1ぐらいの規模であったと思われます。予算規模が大きくなっていった第1の原因としては、1990年代後半から2000年代前半にかけての自動車メーカーの参入が大きいと思われます。

トヨタ、BMW,ホンダ、ルノー、メルセデスなどが既存の独立チームを買い取る・もしくは資本参加をし、数倍規模の予算と人員を投入するようになっていったのが第1の原因だと思われます。当時、マクラーレンはメルセデスのワークスチームでしたが、チームの40%の株式をメルセデスに買い取ってもらって予算を充当してもらっていました。ウィリアムズはBMWのワークスチームで株式こそはBMWに売ってはいませんでしたが、かなりの予算を充当してもらっていました。

それが2008年のリーマンショックでの世界的不況により、ホンダが撤退し、BMWやトヨタが撤退しました。
自動車メーカーの参戦で予算規模は数倍に膨れ上がり、プライベートチームが活動出来なくなっていった経緯があります。

ジョーダン、スチュワート、ミナルディがそうですし、2010年以降だとマルシャ、ケータハムなどが消滅していきました。そして現在に生き残っているウィリアムズとマクラーレンも台所事情に苦しんでいます。

トロロッソは珍しく無借金経営をしています。これはレッドブルの存在が大きいのですが、もしレッドブルの資本がなければトロロッソも消滅していた可能性が高いです。既存10チームで財務が健全なチームはフェラーリ、メルセデス、レッドブル、トロロッソ、ルノー、ハースぐらいではないでしょうか。ザウバーはアルファロメオ(フェラーリ)の資本が入ったのでチーム消滅の危機は免れましたが、一番危ぶまれているのがフォースインディアです。ウィリアムズはどうにかまだ大丈夫であります。マクラーレンはマンスール・オジェが株式を保有してくれている間はまだなんとかなるでしょう。

フォースインディアが消滅すれば9チームになり、コンコルド協定にある、グリッドに20台以上並べるという条項は順守されなくなってしまいます。