
2012年から6シーズンに渡ってトロロッソに在籍したジェームス・キーですが、次の移籍先とされているマクラーレンではテクニカル・ディレクターに就任するのでしょうか。トロロッソの上司である代表のフランツ・トストとの人間関係は良好だったのか気になるのですが、今回の離脱劇を見ていると、一般の会社でもよくありがちな上司と部下の普通の関係であって、決して同志ではなかったのではないかと感じるのです。離脱に関してフランツの淡泊な対応・反応がそれを物語っているような感じがするのです。同志ならばもっと引き止めに掛ったでしょうし、必要なディレクターとして能力を高く評価しているのであれば、説得していると思うのです。ジェームス・キーはまだビッグチーム(ワークスチーム)で一からマシンを設計した実績・経験がありません。2018シーズンのトロロッソはホンダのワークスチームですが、そのワークスとして実質のマシンがデビューするのが2019シーズンであったのですが、トロロッソはワークスとはいえ規模では中堅チームです。ワークスでビッグチームではありません。
ジェームス・キーにすればビッグチームで、、、出来ればビッグチーム+ワークスのチームでマシンを作りたい!という願望は当然あるでしょうから、今回のマクラーレン移籍は2021年以降を見据えての決断だったのかもしれません。マクラーレンは2020年まではルノーPUを使い続けるでしょうが、2021年以降は新規参入のメーカーとの契約を狙っているのは明らかで、いつまでもタスタマーの地位に甘んじるつもりは毛頭ないはずです。2021年以降にワークスになったマクラーレンのテクニカルディレクターに就任したとして、その時点でジェームス・キーの年齢は50歳で、そこから10年以上は一線で活躍出来る時間があります。
残念ながらトロロッソはレッドブルのジュニアチームという立場上、実質のワークスチームになることが出来ない運命にあります。チーム規模も中堅から成長する見込みがありません。ジェームス・キーもいつかはチャンピオンマシンを作り上げたいでしょうから、今回の移籍の決断は必然だったのかもしれません。