
先日、ついに破産したフォースインディアですが、新たなオーナーが分配金を引き継ぐには全チーム(既存9チーム)の承諾が必要で、ここでもひと悶着があり、反対した3チームの駆け引きが展開されています。3チームの思惑は賛成してやる代わりに、何かしてくれ!ということです。つまり金銭的補償を遠回しに要求しているのであって、その額は数億円規模ではなく、数十億円規模なのでしょう。財政難に苦しんでいるウィリアムズは来季にペイドライバーを失うだけでなく、スポンサーのマルティニも失います。このフォースインディアの破産問題で数十億円を稼ごうとしているのですが、こうでもしないと生き残っていけない現在のF1を取り巻く金銭事情は悲しい限りです。
あまりにも高騰した予算規模。不公平な分配金。高価なPU代金。トップチームを除く半分以上のチームが予算のやりくりに四苦八苦している現状で、分配金で有利な条件のチームはなかなか公平にしようとする改革案に賛成をしません。現在の分配金はバーニーが決めたルールですが、一部のチームが優遇される方式になっています。F1を活性化するには各チームの格差を小さくし、年間活動費をもっと抑えるようにしていかなければならないのですが、トップチームは1000名を超えるスタッフを抱え、弱小チームは200~300人ほどでチームを運営しています。予算規模も5倍以上の格差があります。
そして撤退していくチームは決まって下位のチーム、つまり予算規模が小さいチームです。
フォースインディアはこの非常に厳しいF1ビジネスの世界で10年以上生き残ってきました。チームが発足した頃、オーナーのビジェイマリヤはグループ企業のビジネスも順調の大富豪で、100億円の船を所有していました。モナコGP開催の時は、ご自慢の大型船クルーザーをモナコ湾に停泊させ、自らの権勢を誇示していましたが、その後、グループ企業の相次ぐ業績悪化や訴訟問題で身動きが取れない状況になり、インド国内にいると検察当局に身柄を拘束される懸念から、数年前からずっとイギリス国内で生活をしていました。以前のビジェイはF1チームに帯同して世界中を巡っていましたが、最近ではイギリスGPにその姿を現すだけでありました。
結論からいって、このフォースインディアの救済はされると思います。
方法はリバティメディア(ロス・ブラウン)が反対3チームに折衷案で金銭取引をして、賛成してもらう、というやり方で。もちろん反対した3チームもそれをはなから狙っての行動であるわけなので。