


レース開始直後6番グリッドからスタートしたライコネンと7番グリッドスタートのオコンが接触。オコンはそのままウォールに突っ込んでしまい、ここでリタイアに。一方のライコネンはフロントウイングにダメージを受け、ピットに戻らざるを得なくなる。
その後方では11番グリッドスタートのシロトキンと12番グリッドからスタートしたアロンソ(マクラーレン)が接触。シロトキンはそこでエスケープゾーンにクルマを止めてリタイアとなり、アロンソは右側のフロントタイヤ、リアタイヤ両方がバーストした状態でなんとかピットにたどり着くが、レースは1周目にして早くもセーフティカーが導入される展開となった。
6周目にレースが再開されるが、11周目には5番手まで順位を上げていたヒュルケンベルグがスローダウンして戦線離脱。
ベッテルがレースをコントロールし、それにハミルトン、バルテリ・ボッタス、サインツ、フェルスタッペン、リカルドが続く形でレースが進むが、その後サインツがピットインし、レースが17周目に入るころには12番手にまで順位を下げていたライコネンが6番手にまで順位を戻してくる。
レースが23周目に入ったところでまずハミルトンがピットインしソフトタイヤに交換。ハミルトンはボッタスの後ろ3番手でコース復帰する。先頭を走行していたベッテルも31周目を迎えるところでピットイン。ソフトタイヤに交換してハミルトンの前でコースに戻る。これでまだタイヤ交換を行っていないボッタスが暫定トップに立った。
レースが中盤を過ぎるとレッドブル勢同士の争いがだんだんし烈になってくる。ペースの速いリカルドがフェルスタッペンをオーバーテイクしようとするが、フェルスタッペンは強気で一歩も引かず、あわや2台が接触しそうな光景が展開される。だが35周目にリカルドがついにフェルスタッペンをとらえて4番手に浮上した。
そのリカルドは38周目にピットインしウルトラソフトタイヤに交換する。その次の39周目にはフェルスタッペンがピットイン。同じくウルトラソフトタイヤに交換するが、ここでフェルスタッペンがリカルドの前でコース復帰を果たし、また両者の順序が入れ替わってしまう。
その後またレッドブルの2台に争いが激しく展開されるが、40周目についに恐れていたことが現実となる。追い抜きにかかったリカルドの前でフェルスタッペンがそうはさせまいとラインを変えてドアを閉める。ところが、すでにスピードに乗っていたリカルドはタイヤをロックさせながらブレーキングするも間に合わず、激しくフェルスタッペンに追突してしまったのだ。2台はここで2台そろってリタイアとなり、レッドブルにとっては最悪の結果となってしまった。
ここで再びセーフティカーが導入されると、先頭を走行していたボッタスがすかさずピットイン。2番手ベッテルと3番手ハミルトンもピットインして全員がウルトラソフトタイヤに交換した。うまくセーフティカー導入のチャンスを生かしたボッタスがトップ、ベッテル2番手、ハミルトン3番手と順位は変動せず、ボッタスの優勝のチャンスが広がった。
ところが、このセーフティカー導入中に6番手を走行していたハースのグロージャンがマシンコントロールを誤ってコース右側のウォールにクラッシュするという事故が発生。これでセーフティカーの導入時間がさらに長引くこととなり、さらにボッタスには追い風が吹いてきたかに思われた。
セーフティカーが戻り、レースが再開されたのは残り4周となった48周目のことだった。この再スタート時がトップの座を奪い返す最大のチャンスだと考えたベッテルはホームストレートエンドのターン1で強引にボッタスを追い抜きにかかる。だが、ベッテルはタイヤをロックさせてしまい、逆にハミルトン、ライコネンに先行を許す形となってしまった。
ボッタスはその間にペースを上げ、一気にハミルトンとのギャップを1.5秒に開いていく。これでボッタスの今季初優勝はほぼ確実かと思われた49周目、突然ボッタスの右リアタイヤがバーストしてしまう。これはコース上の破片を踏んでしまったことが原因だったようだ。ボッタスはコース外にクルマを止め、優勝目前で無念のリタイアとなってしまう。
そして、棚からぼたもち的な形でトップに躍り出たハミルトンがそのまま残り2周を走り切り、先頭でチェッカーフラッグを受けて今季初優勝を飾った。2位にライコネンが続き、3位には終盤にタイヤを痛めたベッテルを追い抜いたフォース・インディアのセルジオ・ペレスが入った。
今年も波乱の展開となったアゼルバイジャンGPだが、ザウバーのルーキードライバーであるシャルル・ルクレールが6位でチェッカーを受けうれしい初ポイント獲得。さらにトロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーも10位に食い込んで初ポイントを獲得している。